8/2(日)夜、シェアハウス「浅草橋ブレッドボード」にて、食べ比べをテーマにした会、おいしいもの味覚鑑賞会を開催しました。
今回で25回目の開催になります。参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
会を主催している永木三月です。
今回のテーマは「ジェラート」です。イタリアの老舗ジェラテリアから、日本発の実力店まで、全6(+2)品を揃えました。そのレビューを、会の模様と合わせてお届けします。
〈目次〉(★=格別美味、◯=次点。)
1.『セブンイレブン』の「濃厚デザートアイス」
2.『ハーゲンダッツ』の「シチリアレモンパイ」
5.『ジェラテリア・マルゲラ』(恵比寿)
◯6.『Sincerita』(阿佐ヶ谷)
◯7.『プレミアム・マリオ・ジェラテリア』(新宿伊勢丹)
★8.『ジェラテリア・アクオリーナ』(祐天寺)
当日は、18時から鑑賞会を開始しました。
この記事は、会で実際に頂いたものを、レビュー形式でまとめたものになります。評価はお勧め度の特に高いものを「★」で、次点を「◯」で印をつけています。
ここでの評価は、永木三月個人の責任でつけております。
以上の点をご了承ください。
レビュー
1.『セブンイレブン』の「濃厚デザートアイス」
まず最初に『セブンイレブン』から出ている「濃厚デザートアイス」。食べ比べ最初の2品はジェラートではありませんが、
日本で食べられる一般的な氷菓として、食べ比べに組み込んでいます。
味わいにはシンプルな整いがあり、過剰な甘さやこってり感がないところには好感が持てます。
2.『ハーゲンダッツ』の「シチリアレモンパイ」
2品目は、『ハーゲンダッツ』の新フレーバー「シチリアレモンパイ」。味わいはクリームのコクが強く、食べ応えはありますが、レモンの風味はもう少し欲しいところです。
味の構成にフレーバーがあまり活かされていないので、製品のクオリティはそこそこで、セブンイレブンより秀でていると言いづらい部分もあります。
3.『PANCIERA』(新宿高島屋)
3品目は、新宿高島屋に入っている『PANCIERA』。広尾や四谷に店舗を展開している『ラ・ナポリ』と同系列で、日本では老舗の1つ。
今回選んだフレーバーはバニラとピスタチオ。素材はそこそこ良く、前2つに比べて香り豊かです。濃厚さをダイレクトな甘さでフォローしているようで、やや粗さも感じます。
4.『PARIYA』(渋谷東急)
4品目は、渋谷東急にある『PARIYA』。青山のデリカテッセンの他、ファッションブランドとしても展開しているお店で、この渋谷店にも総菜売り場が併設されています。
今回頂いたのは、宇治抹茶とフレッシュミルク。味わいは、口当たりの滑らかさが一番の特徴で、わかりやすい良質さがあります。粗さはないですが、ややのっぺりとしていて、深みを感じさせない作りになっているようです。
5.『ジェラテリア・マルゲラ』(恵比寿)
5品目は、恵比寿アトレの『ジェラテリア・マルゲラ』。イタリアで1979年創業の老舗で、麻布十番のお店が海外初の支店だそうです。
ジェラートらしくもっちりとした食感があり、ある程度溶けても食感が損なわれないところは良いです。今回頂いたのはヘーゼルナッツとチョコレートで、どちらも香りに伸びは感じます。抑制の利いた味ではないため、親しみが持てて食べ易いジェラートです。
6.『Sincerita』(阿佐ヶ谷)
6品目は阿佐ヶ谷の『Sincerita』。日本人の方がやっているお店で、世界大会での実績もあるそうです。今回は、その大会で入賞したフレーバーで、はちみつとローストしたクルミを使った「メルノア」と、北海道の山本牧場と清里高原のジャージー牛乳を使った「フレッシュミルク」を頂きました。
どちらも素材の野趣が前面に押し出された味わいで、狙いは明確に伝わってきます。口の中での香りの伸びは、ここまでのものと比べて一番です。洗練はありませんが素材が生き生きしており、ストレートに美味しいジェラートです。
7.『プレミアム・マリオ・ジェラテリア』(新宿伊勢丹)
7品目は、新宿伊勢丹の地下に入っている『プレミアム・マリオ・ジェラテリア』。百貨店を中心に店舗を構えているお店で、銀座や立川に店舗があります。今回頂いたのは、「ピスタチオ」と「シチリアンソルト」。
味わいには普通の意味で整いがありきれいですが、素材の旨味を主張させる作りではありません。ピスタチオなどもクリームでかなりマイルドにまとめられており、6品目の『Sincerita』と対照的です。
8.『ジェラテリア・アクオリーナ』(祐天寺)
最後は、祐天寺の『ジェラテリア・アクオリーナ』。元は店舗を構えていなかったそうで、催事などで知名度が上がって行ったお店だそうです。今回は「マンゴー&カルダモン」含め2つのフレーバーを頂きました。
味わいはかなり癖が強く食べづらいものですが、フレーバーの組み合わせ方に独創性があり、香りの広がり、前半と後半で変わる味わいが面白いです。素材も良いです。
店主の方は、元々ジェラート専門ではないらしく、レストランでのデザートを作る経験などを積んでこられたそうです。ジェラートにもその発想が活きており、他店では見られないようなフレーバーもこうした土台の上に生まれたものと考えられます。イタリアンやフレンチを味わうような感覚で楽しめるジェラートです。
最後に
ジェラートはあまり日本で流行っているとは言えません。お店の数自体も少なく、その中で美味しいものとなるとさらに数が限られます。
本場イタリアには30000店以上のジェラテリアがあるらしく、文字通り至る所でジェラートが食べられるようです。
比較対象を挙げるなら、アイスクリーム専門店の『サーティワン』が日本でようやく1000店前後です。いかに、ジェラートがイタリアの日常に根付いたものかがわかります。
私自身ジェラートをあまり食べないため、お店探しにはかなり苦労しました。都内のお店は、新宿や渋谷、東急や中央線の沿線などに集中していて、ファッションフード的な需要が大きいのだろうと感じました。
ジェラートを美味しく食べるには
家でジェラートを食べる際には、美味しく食べるコツが2つあります。
1つは温度。冷凍庫に保存してある場合、常温で5~10分置いて解凍することで、ちょうど良い食感で食べられるようになります。
もう1つは、スプーンで練ってから食べること。これによってジェラートに空気が含まれ、ねっちりとした独特の食感が生まれます。興味がある方はぜひ試してみてください!
次回の予定
「おいしいもの味覚鑑賞会」は月一回を目安に開催しています。
これを見て興味をもった方、今回は都合が合わなかった方、普段から食べるのが好きな方、いつもはコンビニで済ませてしまう方、どんな方でも大歓迎です。おいしいものを食べて、一緒に語らってみませんか?
このサイトでは、美味しいレシピ、お店の紹介や食べ比べの実践など、「テイスティング」をテーマに記事をお届けしています。そちらもよろしければ見ていってください。それではまた!
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