永木三月のテイスティングログ: 卵食べ比べの会! 〜一玉500円の卵の味わいとは〜

2015年10月24日土曜日

卵食べ比べの会! 〜一玉500円の卵の味わいとは〜



10/18(日)夜、シェアハウス「浅草橋ブレッドボード」にて、食べ比べをテーマにした会、おいしいもの味覚鑑賞会を開催しました。今回で26回目の開催になります。参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました。    
会を主催している永木三月です。    

今回のテーマは「卵」です。スーパーで買える卵から、一玉500円を超える高級卵まで、バリエーション豊かに準備いたしました。レビューを、会の模様と合わせてお届けします。    


〈目次〉(★=格別美味、◯=次点。)   

1.スマイルライフ「常陸の恵み 白卵」(10個198円)  
2.日本農産工業「ヨード卵光」(6個357円)  
3.小岩井農場「小岩井農場たまご」(6個648円)  
4.長生「アローカナ」(6個600円程度)  
◯5.とがし園芸養鶏「渚おうはんの卵」(10個680円)  
★6.アクアファーム秩父「彩美卵 輝」(6個4000円)   



当日は、18時から鑑賞会を開始しました。鑑賞は卵掛けごはんの形式で行っています。すなわちレビューでの雑感は、全て生の状態でのものです。   

この記事は、会で実際に頂いたものを、レビュー形式でまとめたものになります。 
評価はお勧め度の特に高いものを「★」で、次点を「◯」で印をつけています。ここでの評価は、永木三月個人の責任でつけております。  
以上の点をご了承ください。   

  

レビュー   


1. スマイルライフ「常陸の恵み 白卵」(10個198円)     



まずは、一般的な価格のものを食べ比べの土台として味わっておきます。会場近くのスーパー『ライフ』で購入した、プライヴェートブランドの卵。   

味わいとしては、生では黄身白身共に臭みが目立ちます。  
白身のコシ、黄身のコクなどの旨味は感じられず、雑味も多いようです。敢えて生で食べることはお勧めしません。    


2.日本農産工業「ヨード卵光」(6個357円)     



続いて、スーパーでも扱われている高級卵の代表格「ヨード卵光」。日本で最初のブランド卵で、発売してから今年で40年ほどです。  
海藻などに含まれるヨードを飼料に配合することで栄養価が高くおいしい卵を作っているんだそうです。   

色合いが一品目よりも濃く、見た目には黄身のハリも見られます。  
味わいに突出した所はないものの、一品目にあったような雑味が綺麗に排されたプレーンな食べ応えが特徴的です。ポピュラーな上質さがある一品です。 
    

3.    小岩井農場「小岩井農場たまご」(6個648円)         




日本橋高島屋の『明治屋』で購入した「小岩井農場たまご」。飼料には、良質な植物性原料を使い、採卵日当日に梱包するというこだわりがあるそうです。   

味わいには綺麗なコクがあり、ヨード卵に比べて香りがきちんと伸びます。明治屋という高級路線のショップで取り扱われるのも納得の上品さで、穏やかな美味しさの卵です。


4.「長生卵 アローカナの卵」(6個600円程度)       



日本橋高島屋の地下で購入した、千葉は長生産のアローカナの卵。アローカナは南米原産の鶏で、青緑色の卵が特徴です。   

このアローカナの卵は、香りに青くささがあり、他の卵とは違った味わいになっています。品では小岩井農場たまごが上ですが、こちらは野性味のある味わいが魅力です。素材としては、使いどころの考え甲斐がある一品。    



◯5.とがし園芸養鶏「渚おうはんの卵」(10個680円)     



続いては、新潟の農場から「横斑プリマスロック種」という珍しい品種の鶏を用いた卵。産卵頻度が低く、放し飼いにも向いてないことから、卵用として飼育されるのは非常に珍しいのだそうです。   

味わいには、舌先からクリアなコクが感じられます。特に、卵白のコシと甘みが印象的でした。ここまでの品と比較すると、味わい全体に一体感があり、品や深みを含めたトータルな上質さが魅力の卵です。   

※ちなみに、今回購入した「渚おうはんの卵」はほとんどが二黄卵でした。二黄卵とは、文字通り黄身が2つ入った卵のことで、産卵して間もない鶏がよく産む卵なのだそうです。規格外として弾かれて(業務用に回されて)いたこともありますが、味わいには影響ないとのことです。       



★6.アクアファーム秩父「彩美卵 輝」(6個4000円)        






最後は、アクアファーム秩父の「彩美卵 輝」。簡易包装でも、一玉500円を超えるという、日本で最も高級な卵。  
見た目からまずわかるのは、卵黄が橙色で非常に鮮やかなこと。また、箸でそのまま掴めるほど無駄な水分がありません。   

卵黄は、生の状態ですでに半熟卵のようなどろりとした食感を持っていて、そのクリーミーなコクには驚きました。また、甘みがしっかりとあるのですが余韻の味わいは意外にさらりとしています。端々まで創作が詰め込まれた素晴らしい卵です。   

アクアファーム秩父では、5年という長い時間をかけて品種改良した鶏を、広大な土地に放し飼いにして、漢方なども配合した独自の飼料で飼育しているのだそうです。他の卵のプロフィールと比べても、品種改良を始めとして、一際強いこだわりが伺えます。  
    


終わりに  

卵が食用として食べられてきた歴史は非常に長いです。ローマなどでは、採卵専用に品種改良された鶏が紀元前から存在していたという話には驚きですが、高タンパクの貴重な栄養源としてそれだけ長く親しまれてきたのでしょう。  

日本では、庶民的な食べ物として定着するのは、肉食が一般的になるのと同じ昭和30年以降のことですが、現在では世界でもトップクラスの消費量を誇ります。   
ヨード卵がブランド卵の先駆けだという話は初めて知ったのですが、それだけ日本では歴史の短い文化ではあるのでしょう。それだけに『秩父アクアファーム』の「彩美卵 輝」の、清新かつ過激な味わいには驚きました(過去に頂いたものでは、長野県『清水牧場』のヨーグルトを思い出します)。   

このような突き抜ける美味しさは、様々なジャンルに目を向けてもごく僅かしか見られませんが、それだけに出会ったときの感動はひとしおです。機会があれば、ぜひ生のまま味わってみてください。   

ちなみに卵というテーマで開催するに当たって、美味しい卵を真剣に探したのですが、実は今回扱いきれなかった卵もたくさんあります。  
「天美卵」「身士不二」「えぐぅ 幸せたまご」などは、次回とりあげてみたい卵です。他にも美味しい卵をご存知の方は、ぜひ教えてください!     


次回の予定  

「おいしいもの味覚鑑賞会」は月一回を目安に開催しています。  
これを見て興味をもった方、今回は都合が合わなかった方、普段から食べるのが好きな方、いつもはコンビニで済ませてしまう方、どんな方でも大歓迎です。おいしいものを食べて、一緒に語らってみませんか?    
このサイトでは、美味しいレシピ、お店の紹介や食べ比べの実践など、「テイスティング」をテーマに記事をお届けしています。そちらもよろしければ見ていってください。それではまた!

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