永木三月のテイスティングログ: 手頃な材料で本格インドの味!『第1回 テイスティング専門家の料理教室』報告!

2015年12月11日金曜日

手頃な材料で本格インドの味!『第1回 テイスティング専門家の料理教室』報告!


こんにちは。テイスティング専門家の永木三月です。
11/15(日)夜、シェアハウス「浅草橋ブレッドボード」にて、『テイスティング専門家の料理教室』の第1回を開催しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。 

初回のテーマは「スパイスから揃えるインドカレー」
この記事では、教室で扱ったレシピを初めてでも簡単に作れるように、写真付きで詳しく紹介して行きます。 
なお今回のレシピは、平均的なスーパーで材料が全て揃うものになっています。インドカレー入門にぜひ!

そして参加してくださった皆様、レシピの方大変お待たせいたしました。
会のことを思い出しながら、改めて作っていただければ、とても嬉しく思います。     


〈目次〉

・玉ねぎのコクとスパイス香る!「基本のチキンカレー」
・インドの酢漬け「大根ときゅうりのカチュンバル」
・インド料理の定番ヨーグルトドリンク「ラッシー」
・日本米でもカレーを引き立てるライスに「クミンライス」 






レシピの紹介 

《基本のチキンカレー》 


材料(3〜4人前)(大/小=大さじ/小さじ) 
鶏もも肉………1枚(350〜400g)
玉ねぎ…………1 ~ 1.5個(300g)
トマト…………1/2缶(200g)
にんにく………1片(10g)
しょうが………にんにくと同量
ホールスパイス(丸のまま使うもの)  
 クミン…………小1  
 ローリエ………1枚  
 唐辛子…………1本 
パウダースパイス(粉状で使うもの)  
 コリアンダー…大1  
 クミン…………大1/2  
 ターメリック…小1/2  
 カイエンペッパー…同上  
 ブラックペッパー…同上  
 ガラムマサラ…小1
………………小1
サラダ油………大4
………………300cc 



〈作り方〉

1.下ごしらえ  

玉ねぎはみじん切りに、生姜とにんにくはすりおろし、鶏肉は一口大に切っておく。スパイスと塩を計量しておく。
水、トマト缶も分量を量っておくと、スムーズに作業ができます。 




2.ホールスパイスの香りを出す(テンパリング)  

油と唐辛子をフライパンに入れ、中弱火で熱する。
温まったらクミンを入れる。クミンがやや色づいて十分に香りが出たら、ローリエを入れる。(※1) 




3.玉ねぎを炒める

玉ねぎを入れ、強火焦げ茶色まで炒める。(※2) 



4.生姜とにんにくを炒める

すり下ろした生姜とニンニクを加える。にんにくのイガイガした香りが取れ、色が全体と馴染むくらいまで中〜弱火で炒める。 



5.トマト缶を入れる

トマト缶を入れ、滑らかな赤茶色のペーストになるまで炒める。トマトの果肉と、まだ形が残っている玉ねぎを木べらで潰しながら、全体の水分を飛ばしながら炒めていく。(※3




6.スパイスを入れる

火加減を弱火にする。
塩とパウダースパイスを入れて1分ほど炒め、香りを出す。



7.鶏肉を入れる

鶏肉に軽く塩こしょうを振ったものをフライパンに入れ、ペーストとよく絡ませるように炒める。 



8.煮込む

鶏肉の表面の色が変わったら、水を入れて強火にして、一煮立ちさせる。
濁った色のアクが出れば取り(※4)、弱火にして煮込む。

鶏肉に火が通り、適度にとろみがつくくらいまでやると良い(鶏肉は10分程度で火が通ります)。
とろみが付きすぎたら、適宜少量の水を加えながら調整する。 



9.仕上げ 

味を見て、必要なら塩を調整する。
香りの仕上げにガラムマサラを入れて、馴染ませたら完成。 




〈コツや解説など〉

※1 クミンから、小さい泡が出るくらいが、入れるタイミングの目安。
※2 焦げすぎると苦味が出過ぎるので、焦げ付くようならお湯を時々差す。
※3 この辺りで、鶏肉に塩こしょうを振っておくと良い。鍋の中に水分がある内は焦付きづらいため、並行して他の作業がしやすい。
※4 インド料理ではアクを取る習慣がないそうです。   



《大根ときゅうりのカチュンバル》(付け合わせ)


材料(作りやすい分量)  
・きゅうり……1本
・大根…………きゅうりと同量
・塩……………野菜の総重量の2%
・レモン………大さじ1(お酢でも可)
・油……………大さじ1/2
・黒こしょう…小さじ1/2
・テンパリング用スパイス  
 クミン………小さじ1/2  
 唐辛子………1本 

作り方 

1.野菜を一口大の賽の目切りにする
2.野菜の重量の2%程度の塩を振り、水分が出るまで置いておく。
3.水を切って軽く搾り、耐熱のボウルに入れてレモンと和えておく。
4.小さいフライパンで油を中弱火にかけ、スパイスの香りを出す(チキンカレーの手順2をご参照ください)
5.香りの出た油をボウルに注ぎ、よく混ぜる。 


《ラッシー》(辛いのが苦手な人にお勧め)


材料(3,4人前)(参照:『「ナイルレストラン」ナイル善己のやさしいインド料理 』(世界文化社)

・ヨーグルト…400cc
・牛乳…………200cc
・水……………200cc
・はちみつ……100cc
4:2:2:1の比率)

作り方

1.ヨーグルトをボウルに入れ、ダマがなくなるまで泡立て器でかき混ぜる。
2.牛乳、水、はちみつも加え、滑らかになるまでよく混ぜる。  

《クミンライス》(お好みで)


材料(2合分)

・分量通りの水に浸した米2合
・塩………………………小さじ1/2
テンパリング用
・サラダ油orバター……大さじ1
・クミン…………………小さじ1
(その他、ローリエやブラックペッパー、クローブ、シナモンなどを少量入れても美味しい)

作り方

1.米を研ぎ、通常通り水につけておく。(※)
2.炊く直前に油にスパイスの香りを移す(チキンカレーの作り方 手順2を参照)
3.炊飯器に油を入れ、塩と一緒によく米と混ぜてから炊く。

※油で米がコーティングされるため、通常より固めにパラッと炊きあがります。

今回のレシピについて


料理教室は今回が初だったのですが、そのテーマにインドカレーを選んだのには理由があります。
一言で言うとそれは、インドカレーが「作る楽しみを気軽に味わえる」料理だからです。 

私自身のインドカレー歴は1年強ですが、未だに飽きもなく、いつも作っていて楽しい料理の一つです。土地の風土が色濃く反映されたインド料理は、その出自によってスパイスや食材も多種多様なのですが、作り方は多くの料理で共通していて応用が利くので、レパートリーを広げやすく、自分なりのアイディアが盛り込みやすいのです。
また、出汁を取ったり灰汁を抜いたりといった下ごしらえがあまり必要なく、調理が簡易なことも良いところです。 

生活の中で、おいしく楽しく作り続けられることがインドカレーの一番の魅力だと私は思っています。 興味を持たれた方は、ぜひ自分の手でその本格的な味わいを試してみてください!  




インド料理入門案内! 


「もっとインド料理を知りたい!」と思ったら、
ナイル善己さんの『「ナイルレストラン」ナイル善己のやさしいインド料理 』(世界文化社)がレシピ本では一番お勧めです。(今回、ラッシーのレシピはこちらからほぼお借りしています)

狙いがわかりやすく、一つ一つの材料の役割が腑に落ちるレシピになっています。
レシピを見る人が戸惑いがちな材料の分量表記も、最初にきちんと定義されているため(玉ねぎ1個→180g にんにく1片→10gなど)、曖昧さがなく失敗も少ないと思います。 

その他には、渡辺怜さんの『新版 誰も知らないインド料理 おいしい やさしい ヘルシー』(光文社)も、私はよく参考にします。 
文庫サイズの本で、インドに関する読み物の側面もありつつ、レシピもしっかり紹介されている本で、写真等は少ないですが良いレシピが多いです。最初に紹介した本に比べると、家庭料理寄りで素朴な味わいのものが中心です。 

どちらの本も、北インド料理、南インド料理を網羅していて、いわゆるカレーに限らず、副菜や炒め物などインド料理全般のレシピが紹介されています。

ネット上の情報では、カレー研究家であるスパイシー丸山さんのブログ「カレーなる365日」で公開されているレシピは、よく練られていて参考になります。

どの本やレシピも、今回紹介したものに比べれば多くの材料やスパイスが必要ですが、味わい深さもひとしおですので、ワンランク上のインド料理を求める方はぜひ。 


次回の予定  


「テイスティング専門家の料理教室」は現在不定期開催です。料理をテーマに様々な切り口でその楽しみを紹介して行きます。

これを見て興味をもった方、今回は都合が合わなかった方、食べるのが好きだけど料理は…という方、趣味を増やしてみたい方、どんな方でも大歓迎です。料理の楽しさを一緒に覗きませんか? 

このブログでは、美味しいレシピ、お店の紹介や食べ比べの実践など「テイスティング」をテーマに記事をお届けしています。そちらもよろしければ見ていってください。
それではまた!

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